先月よりJBCFサイクルロードシリーズとJCLジャパンサイクルリーグが開幕しましたので、ワクワクしております。
今日は、ロードバイク観戦をもっと楽しむ編として選手の脚質についてまとめていきたいと思います。
これを知ることで、チームの戦略や逃げに乗ったメンバーはスプリント強い○○選手がいるから他のメンバーはスプリント勝負にはしたくないはずだから最後の登りでアタックしそうだなーとか予想できたりするわけです。
こういうのも友達と話しながら観戦できたら楽しいと思いませんか?
土日に開催が多いので、ビール飲みながらお家観戦もいいですし、実際にレースを見に行っても楽しいと思います。
ロードレースを観戦
先日の記事で、ロードレースの見どころ(チームの特徴など)について簡単に紹介させて頂きました。
今日は、もっと観戦を楽しむために、選手の得意分野について解説をしていきたいと思います。
どの選手にも必ず得意分野があります。
- 登りが得意
- アップダウンが得意
- 平坦でのスプリントが得意
- 高速巡航が得意
- だいたい全部そこそこできる
- 逃げが得意
- タイムトライアルが得意
等々、選手によって得意なコースやレース展開があります。
それを決めているのが、「脚質」と呼ばれるものになります。
このタイプによって、各選手がおおまかにどのようなコースを得意とするかが見えてきます。
それでは、一つずつ解説していきます。
スプリンター
スプリンンターはそのままスプリント力が強い選手のことです。
この選手が活躍するのは、平坦レースでのゴール前スプリントです。
一瞬の爆発的な加速力を発揮し、トップクラスになるとゴール前100mでは時速70km/h以上の速度がでます。
平坦レースではこのスプリンターが勝利の鍵を握りますので、いかに最終局面までエーススプリンターを温存(アシスト)し、なおかつ最後のスプリントに絡ませることができるかが、他のメンバーの重大な役割になってます。
一瞬の爆発力を発揮するためには、大きなパワーが必要になるため、基本的には大柄で体が大きい選手が多いです。
小柄なスプリンターもいますが、基本は筋肉ムキムキな人が多い傾向にありますので、当然体が重いのでヒルクライムが苦手です。
平坦ステージや比較的上りが少ないワンデイレースが得意です。
小野寺玲 | 宇都宮ブリッツェン | 176cm | 67kg |
織田聖 | 弱虫ペダル サイクリングチーム | 176cm | 68kg |
大前翔 | 愛三工業レーシングチーム | 170cm | 67kg |
下島将輝 | 那須ブラーゼン | 180cm | 64kg |
クライマー
クライマーは急激な上りや長い上りなどを得意とする山岳のスペシャリストです。
ロードレースにおいて最も実力差とタイム差がでるのが上りなんです。
平地であれば後ろについて風を避けたりできますが、登りでは基本的にはドラフティングの効果少ないですし、前を引いてもらってもペースを作ってもらうにせよ、ある程度登れる脚がないと厳しいです。
上りでもっと重要なものは「体重が軽いこと」です。重力に逆らって登りますので、軽い方が圧倒的に有利になります。
そのため、クライマーは小柄で痩せている選手が多いです。イメージは弱虫ペダルの「小野田坂道」ですね。
また、ヒルクライムでは脚を止めたら平坦と違い速度がゼロになりますので、長い上りでずっと脚を回し続ける持久力も必要になります。
ステージレースでの山岳賞を狙ったり、山岳での圧倒的なタイム差を作り総合優勝に絡む選手もいます。
ただ、小柄な選手が多くタイムトライアルを苦手とする選手も多いですね。
また、クライマー最大の弱点は、細身で余計な脂肪や筋肉量も少なめ、スプリント力は皆無です。
いかに、山岳ステージでタイムを獲得できるかが勝負になります。
石橋学 | TEAM BRIDGESTONE Cycling | 177cm | 63kg |
堀孝明 | 宇都宮ブリッツェン | 175cm | 56kg |
湊諒 | シマノレーシング | 170cm | 61kg |
山本元喜 | KINAN Cycling Team | 164cm | 64kg |
オールラウンダー
オールランダーとは「なんでもこなせる」というイメージが強いと思いますが、タイム差がでやすい「ヒルクライム」「タイムトライアル」が得意な選手のことを指します。
総合優勝をすることが多いのがこの脚質です。
クライマーってTT苦手じゃなかったけ?と思う人もいるかと思いますが、それを両方ハイレベルでこなせるフィジカルがある選手がオールラウンダーなのです。
つまり・・・
- TTが速いクライマー
- 山も登れるTTスペシャリスト
オールランダーは優勝争いに関わることが多いですが、ゴール前のスプリントで相手がスプリンターだと分が悪いです。
あくまで、トータルの総合力が強い選手です。個別の特化の脚質には勝てないということです。
窪木一茂 | TEAM BRIDGESTONE Cycling | 172cm | 75kg |
増田成幸 | 宇都宮ブリッツェン | 176cm | 61kg |
畑中勇介 | TeamUKYO | 175cm | 61kg |
高木三千成 | さいたまディレーブ | 175cm | 58kg |
パンチャー
ヒルクライムもある程度できるスプリンターのようなイメージです。
クライマーとスプリンターの中間のような脚質ですので、クライマーほど登れないし、スプリンターほど爆発力もないです。
では、どんなレースが得意なのか?
小さなアップダウンを繰り返すようなコースやゴール前に短い激坂がある展開を得意としています。
一瞬のパンチ力があるため、強烈なアタックを決めて逃げたりしてそのままゴールを獲ったりします。
変則的なコースを得意とするため、勝負所での強烈アタックからの抜け出しや、エースを引くアシストとして力を発揮します。
昨年のツールドフランスさいたまクリテリウムでの新城幸也選手の強烈アタックからの優勝はシビれましたね。
イメージはあんな感じでの強烈アタックが得意な選手が多いです。
今村駿介 | TEAM BRIDGESTONE Cycling | 175cm | 72kg |
鈴木龍 | 宇都宮ブリッツェン | 168cm | 58kg |
横山航太 | シマノレーシング | 167cm | 58kg |
前田公平 | 弱虫ペダル サイクリングチーム | 172cm | 64kg |
ルーラー
ルーラーとはアシストのスペシャリストです。
持久力が高く、一定ペースでの高速巡航を可能とし長距離を走り続けることができる脚質となってます。
極端に苦手なコースもありませんが、勝負を決めれる武器がないイメージです。
そのため、優勝争いにはかかわることは少ないですが、アシストとして重宝されます。
高出力を長い時間維持できるため
- 平坦での集団を牽引できる
- アタックをチェックできる
- スプリンターをゴール前まで運ぶことができる
- 山岳でもいいペースで牽引できる
- TTも得意
むしろ、これがオールラウンダーではと思うほど苦手がない脚質ですね。
自分ではゴールを狙えませんが、逃げに乗ってエースのために戦局を有利に運んだりとチームを裏で支える献身力が問われる役割ですね。
阿部崇之 | 宇都宮ブリッツェン | 177cm | 66kg |
中田拓也 | シマノレーシング | 178cm | 67kg |
佐野淳哉 | レバンテフジ静岡 | 178cm | 83kg |
白川幸希 | VICTOIRE 広島 | 173cm | 62kg |
TTスペシャリスト・クロノマン
タイムトライアルを得意としているため主戦場はTTステージやTTの大会で優勝を狙います。
この脚質の特徴は、チームプレイに頼らないで単独での独走力が極めて高いです。
一般的には、ローテーションをして空気抵抗をみんなで分散しながら速度を上げていきますが、クロノマンは1人で空気抵抗をねじ伏せて速度をあげることができます。
そのため、一人逃げを得意とする選手も多く、数人で追っても追いつかずそのまま独走ゴールするケースもあります。
強力な牽引で他チームとの差を作ったり、先頭グループを捕まえるために速度を上げるときに活躍します。
とにかく独走力が強い選手。
貝原涼太 | 愛三工業レーシングチーム | 167cm | 60kg |
原田裕成 | VICTOIRE 広島 | 177cm | 75kg |
近谷涼 | TEAM BRIDGESTONE Cycling | 184cm | 74kg |
まとめ
本日は、よりロードレース観戦を楽しむための選手の脚質について解説してみました。
皆さんはどのタイプの選手が好きですか?
私は、クライマーかパンチャーでね〜なんか上り系に強いとかっこいいですよね。
ロードやってればわかると思いますが、上りって本当に辛いんですよ!
それを異常な速度で登って行くあの感じがたまらないですよね〜ましてやアタックするとかカッコいい♪
好きな選手の脚質を知って、レース展開を予想しながら見ると楽しさ倍増でよね。
少しでもこの記事を見てロードレースに興味を持ってもらえたら嬉しいです。
本日もご覧いただきありがとうございました。
以上、参考になれば嬉しいです。ではまた。